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ペラ59_新人世の資本論 を まとめてみた

今回のペラ1はこちら。

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斎藤幸平 著
 
大々的に第1位と本屋で平積みされてたから手に取ったけど、みんな小難しい本読むんだね。
 
ざっくりいうと今のままの経済活動をしていくと環境破壊が進み世界は滅びる。
だからSDGsなんてものが掲げられているけどそれってホントに達成可能なの?
達成するには何すればいいの??
そのような内容が書かれている1冊。
 
本読むのはおっくうだけど結論だけ知っておきたい、そんな方是非読んでください。
 
早速どうぞ。

◆資本主義の実態

人間を資本蓄積のための道具として扱う資本主義は、自然もまた単なる略奪の対象。
中央部が労働力と環境負荷を周辺に押し付け、自分たちは発展するという仕組み。
(発展途上国の安い賃金をあてに儲け、環境配慮も無視)
このまま経済成長を目指せば地球環境が危機的状況に陥る。
 
例)欧米人のヘルシーな生活のため、
アボガドの生産地の南チリでは必要養分の多いアボガドを作りすぎて土地が痩せた。
水分も必要だが気候変動による大干ばつも受ける。
かつコロナで消毒、洗浄で水が必要なのに、水はアボガドの生産に回される。
(水道が民営化されているから利益追求する)
 
中心部が勝つために周辺部が負け続けるという図式。
そして中央部に環境破壊的しっぺ返しが回ってきた頃には周辺部のどこかは再起不能に。
 
これが資本主義の実態。

◆環境配慮技術の実態

そうならない(環境破壊を抑制)ためにも二酸化炭素排出削減技術を高める必要がある。
→新技術開発により経済活動が活発化する
→結果二酸化炭素排出がふえる。
→経済成長の罠
 
今のスピード感では2030年に二酸化炭素の半減させることは実質不可能。
100年後ならできるだろうが、その間に世界環境はおしまいになっちゃう。
 
過去の歴史上も効率化、グリーン化出来ても消費エネルギーは減ってこなかった。
⇒効率化出来た、コストが下がった。その分ほかの商品買おう。
⇒テレビの省エネ化した分、でかいテレビ買おう。
⇒車の燃費上がったから大きいSUV買おう。
より多くの利益を求めるのが資本主義。

◆結局どうすればいいの??

資源総使用量を減らすための経済への強制抑制が必要。
グリーン化プラス経済の縮小、スローダウン。
ただし資本主義のもとではこれが不可能。
 
つまり脱成長、生活レベルの低下がMUST。
 

◆そのための具体的方法は??

コモンズを取り戻せ!
コモンズ=万人の使用価値。
必要なモノは独占させずみんなで使える富という考え方。
潤沢で値段も付かない。(元々の水や土地とか。)
 
しかしなんならかの方法でこれらに希少価値を持たせる(独占とか)と値段がつく。
そうすると買う必要が出てくる。
買うために無理に働く必要が出てくる。
そうして競争が生まれ増々希少価値があがる。
つまり希少性が諸悪の根源。
 
希少価値をなくす=コモンズを取り戻す。
これが脱成長コミュニズム

◆脱成長コミュニズムの5つの価値観

①使用価値経済への転換
GDP向上ではなく人々の基本的ニーズを満たすことを重視。
②労働時間の短縮
使用価値を産まない意味のない(必要以上)仕事を削減。
③画一的な分業の廃止
画一的な分業廃止により効率化=経済成長が優先事項ではなくなり、やりがいや助け合いが優先される。
④生産課程の民主化
知識や情報は社会のコモンとして開放し、話し合いで開発技術や使い方を決める。
⑤エッセンシャルワークの重視
使用価値の重要度を高め、エッセンシャルワーカーがより評価される世界を作る。

◆MYコメント

要は必要以上のものを求めるなってことが脱成長の1つの柱なんだと思う。
言い換えると自分にとって何が必要なのか。
生きていく上で大切な価値基準はなんなのかをバシっと決める。
そうすることで必要最小限の基本的ニーズが見えてくる。
じっくりそんな時間を探してみてもいいかもしれないね。